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建築ことば④ 「うだつ」

「うだつがあがらない」とは地位や生活がさっぱり向上しないさっぱりしないことを言い表すときに使用するネガティブな言葉ですが、これも建築用語が語源という説があります。

この「うだつ」とは防火壁のことを差します。(現在は使わない建築用語ですが。)

昔は家同士がくっつき長屋のように建てられていたため、火災が起こると次々と燃え移っていました。それを防ぐために家と家が接する部分の壁を出して立ち上げ、小さな屋根を乗せたものを卯建(うだつ)と呼ぶようになりました。江戸時代では、うだつは装飾を目的として取り付けられるようになり、自分の財力を示すために、商家を中心に立派なうだつが取り付けられました。このうだつをあげる(造る)ことができないことを表現する言葉となったようです。

 

写真は徳島県美馬市脇町の伝統的建造物群保存地区にある建物です。

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